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先に断っておくが私は株式会社エウレカと何の利害関係もない。
大学の同窓会に行ってきた。当時の懐かしい話もしたりした。しかし、やはり気になるのは今どうなのからしく。「ひよこが結婚して子供がいるとはなぁ」とかそういう話に。そこから出会いの話になり、「Pairs で出会って結婚したよ」「ちょうど Pairs やっているけど手ごたえあるよ」という人が。「出会い系サイト」にはあまりいい印象がない身だがなるほどよく設計されているな、と Pairs ユーザの話を聞いていて感じた。感じたのは以下の4点。
機能が大幅に制限される状態でなら無料で登録できる。課金しないとフル機能は使えないので真面目に出会いたいなら課金が必要である。とりあえず課金プランを見てほしい。勧めていた友人は有料会員のようであった。これで3,600円。プレミアムオプションを上乗せたとして6,600円。「どこが安いんじゃい」という話だが街コンに一回参加すると安くて5,000円は持っていかれる。本気で出会いたいなら街コンも月1度どころの参加頻度ではなくなってくるだろう。
なお、月々払いではなくまとめて払うともう少し安くなる。
女性の婚活に無駄は許されない。女性でお見合いサイトを運営なさっている方が「本気でなさそうな男性にはすぐ見切りをつけなさい」と女性に対してしきりに助言なさっていた。あまりこういういい方は好ましくないと思うが、女性は出産とかキャリアとか考えると結婚に制限時間がある。これは男性よりも強い制限として課せられている。そのため、女性の婚活に無駄は許されないのだ。
Pairs は女性から男性を見たときに男性の課金ステータスが分かる。有料会員なのか、プレミアムオプションは乗っているのか。これらが乗っている、男性は婚活への本気度が高い、と女性からは見えるだろう。本気で結婚したい女性はそういう男性にアプローチをかけるはずだ。逆に遊びたいだけの女性はそうでない男性にアプローチするだろう。
これはシビアではあるが本気で婚活するならばありがたい状態であると言えよう。
私が結婚できたのは本当に幸運なことである。ひよひよした生き物にめぇめぇってなく生き物がいて、互いの信念も合致する。そんなことあるだろうか? 偶然でこれを得るのはまず不可能だろう(実際ひつじだって Twitter 検索で私を見つけて興味を持ってくれたわけだし)。
Pairs は有料オプションだがコミュニティ検索が可能だ。自分と合致するタイプの人をこれを用いて検索することが可能である。「自分の〇〇という趣味を受け入れてくれる特異な人じゃないとダメ」「こういう思想の人じゃないと無理」を Pairs ならばクリアできる可能性がある。
サクラじゃないユーザはいるの?というのはこの手のサイトに纏わる最大の疑問の1つだ。アクティブユーザである友人は「この数か月で20人の異性とマッチ、5人と実際に出会った」と言っていた。これを読んでいる人が「友人からの伝聞で聞いたコメントなんざ信用できるのか」と思うならそれまでだが、これを鵜呑みにするならばそれだけの実稼働ユーザがいる、ということとなる。
ここまで Pairs はいいぞって話をしてきたが私は Pairs 使ったことないし、株式会社エウレカの社員でもない。ただ、聞いた話をまとめると良さそうなのは確かだと思った。
もう8年以上前のことになるが "モテる女子力を磨くための4つの心得「オムライスを食べられない女をアピールせよ」等" なる記事が流行ったことがある。これについて多くの人は酷評していたし、私も酷評していたのだが。私は最近「これって合理的じゃね?」って思うようになってきた。
筆者のエビオス嬢さんは記事の冒頭で 私は学歴も知識もありませんしブスですが
と述べている。私は恋愛市場のことはよくわからないのだが、これは恐らく「私は恋愛市場においてかなり不利なポジションにいます」という宣言だと思われる。にも拘わらず彼女は 恋愛に関してはプロフェッショナル
と自信満々に告げるのである。これは重大な事だ。学歴がある、知識がある、美人である……といった要素があれば何も考えずともそれらにモノを言わせて恋愛市場を勝ち抜くことが可能であろう。しかしこのエビオス嬢さんはそれらがない中で戦って "プロフェッショナル" を名乗っているのである。不利を埋めるために恐ろしい量の思考を重ね、凄まじい量の創意工夫をしたに相違ない。そしてそのエッセンスが「モテる女子力を磨くための4つの心得」なのだろう。
しかし、多くの人が指摘するようにこの4つの心得はあまりに愚かなように見える。しかし、これを愚かと一蹴して良いのだろうか。2つの面で私はそうは思わない。
まず、打っている手は全て何らかの理由に基づいている。例えば だいたいの男は新しいケータイを持ちたがる習性があるので、古かったとしても1世代前のケータイを使っているはず
積極的に話を聞いてくれる女性に男は弱いのです
といったあたりの話を踏まえて記事は行動を提案している。このように、エビオス嬢さんは男性の思考について仮説を立て※1、そこに刺さるような行動計画を提案している。やみくもに媚びを売るのではなく相手の弱点を読み、そこを突くように媚びを売っているのだ。
しかし、エビオス嬢さんは時に撤退する。媚びまくって攻め落とすことにこだわっていない。戦術が通用しない相手について 言ってこない空気が読めない男はその時点でガン無視OK
と即座に切り捨てて次に進むことを勧めている。この戦い方が通用しない相手に無理にこれを継続しなくていいのだ。
また、そういうキャラクターにするとほぼ絶対に同性に嫌われますが気にしないよう
意中の男と付き合うことになったら、そんなことは忘れて好きなだけオムライスを食べて大丈夫
と、目的達成の為に注力し無意味な所で媚びていない。リソースを集中させ、"モテるための女子力" に注力しているのである。
エビオス嬢さんは自分の不利を踏まえ、対象となる男性の弱点を徹底的に突いたうえで勝ち目のない戦いや不要な戦いを回避しているのである。そのための具体的な作戦が記事で紹介された4つの心得である。「そんな風に考えるのは愚かな男性だけだ」と思うかもしれないがその指摘がそもそもおかしいのである。エビオス嬢さんはそのような男性をターゲットに絞って戦っているのだから、これでよい。
得意分野に注力する、不要・苦手な分野では戦わないというのは結構難しい。「とはいえ、多少は苦手分野も押さえておきたい」「とはいえもうちょっと普通の戦い方を」と "標準" に流れようとしてしまうだろう。しかし、標準に落ち込むことは「学歴がある」「知識がある」「美人である」といった要素を持つ相手が競合となるリスクを高めるだけだ。思い出してほしい。エビオス嬢さんは自身の事を 私は学歴も知識もありませんしブスです
と自己紹介しているのだ。競合との衝突を避け、徹底的に自分の戦いやすいフィールドで戦うには多少大げさに思考を振り切る必要がある。多少標準側に流れても先に述べたリスクは軽減される。
ただ、これらの具体的な施策はエビオス嬢さんが戦っている戦場でエビオス嬢さんが対象としているターゲットに立ち向かうための施策だ。あなたが戦う戦場であなたが対象とするターゲットはエビオス嬢さんのそれとは恐らく異なる。仮説を立て、相手に有効な施策を打つ仮定でこれらとは全く違う戦術を取ることになることは十分考えられる※2。アクションをリスペクトしてはならない。彼女の仮説に基づく計画に学び、応用するべきだ。
就活は自己分析し、志望企業を研究し、どのようにエントリーシートを書き、面接で応えていくのかを考えていく。やっている手順はエビオス嬢さんの恋愛と変わらない。就活で何も考えず数だけ打っても勝てるのはそれなりに実力のある学生だけだ。実力があるわけではない学生は自己と企業を分析し、一社一社対応を考える必要がある。エビオス嬢さんの恋愛は実力のない学生の就活と同じなのである。数を打っても勝てないから分析とそこから導かれる施策で戦っている。
オムライスを作るときの卵ってほとんどの場合無精卵だから生まれてこれなかったヒヨコは存在しないのでは?
※1 十分に検証しているのかは知らないけど、そんなに間違っているとは思えない
※2 十中八九全然違うものになるでしょう
監査で統制が取れているか否かを問われていて先輩から何度も言われたことであり、かつ実際にそれを痛感させられたことがある。「統制が取れているとは統制違反があった際に対処ができる状態であること」だということだ。これが「統制が取れているとは統制違反がないこと」とは大きく異なることには注意を払わないといけない。
統制違反があった際にそれに対処できる状態は次のような状態である。
まずは発見可能な状態を整える必要がある。普段は統制違反の発見はモニタリングによって実施する。致命的な統制違反が発生しうる場所について定期的な内部監査を実施し、統制違反の有無やその芽の有無を調べる。芽があれば芽のうちに摘み取り、統制違反があれば報告・記録のステップに進む。
統制違反が発見された際に報告・記録する手順を整える。発見者はどこに連絡するのか。どんな形式で連絡するのか。どんなレポートを残すのか。レポートを作成する責務は誰が持つのか。書かれたレポートは誰か確認し承認するのか……といったことを定めておく。
また、偶然発見した善意の報告者が報告しやすい窓口を周知しておくことも必要となるかもしれない。手順が記されたドキュメントは教育された関係者以外が閲覧することはまずないからである。普段から窓口の人は報告しやすいように目立たせておいたりすると吉。
とりあえずの対処を行う。報告された統制違反に対して一次対応を行う要員を素早く決め、指示を出せるようにしておく。根本対応はここでは行わず、あくまで一時的な危険性を低下させるための対応である。このために統制違反対応のシフトを組んでおくと素早い対応が可能となるかもしれない。
また、基本的には統制違反を犯した人への処分もこのプロセスで行っておく。統制違反の内容にもよるが「うっかり」「知らなかった」だが「取り返しがつく」程度ならば関係者への統制違反をやらかした報告を当人に行わせるだけで済ませるのが良いだろう。あまり重い処分を下すとやらかしたときに隠すようになり、モニタリングが機能しなくなる。また、報告を当人に行わせることで関係者は「説明責任は生じるけど重い処分は下されない」と学習する。
行われた対応については記録しておくこと。
その後、恒久対応を行う。統制違反がどんなプロセスで発生したのかを分析し、再発を防ぐ。ここは根治を狙いにいく。対応については記録しておくこと。
最後に行われた一次対応および恒久対応について責任者が記録を確認し、問題に対して適切に対応されたことを確認する。
統制違反が発生した場合について適切に対応・記録されており、問題が解決されていることを確認できれば原則として監査時に問題としては扱わることはない。むしろ、問題に積極的に対処・改善プロセスを回していることが確認できるので良いかもしれない。無論、あまりに問題が大きすぎたり多すぎたりすれば別かもしれないが……
また、あらゆる統制違反を "統制違反!!!" として大きく扱うのではなく統制違反の中でもランクを定めて報告・記録するのもよいかもしれない。芽についても統制違反の芽という統制違反としてハンドリングしていれば改善プロセスをきっちり回していることの説明をしやすい。
会社で2年半位研修担当をやっていた。そんな私が研修を作るときの手順。参考までに。
研修は「今できない〇〇をできるようにする」が目的である、とする。この〇〇をリストアップする。ここが最も重要であり、ここさえちゃんと書き出せれば後の作業はただの作業である。例えば私の趣味である TRPG の GM ができるようになる研修を作るとすれば以下のような目的となるだろうか。
「この試験を突破したら研修の目標は達成できている」というバッジを渡すための試験を作成する。これはそう難しくなく、先の「〇〇できる」ができるならできるし、できないならできないことを並べ「やって見せろ」と言うだけである。上述の例ならばシナリオを一つ掲載し、以下のような課題を出す。なお、()の中身は回答例である
これを完成させれば「ググるか自分で色々試すことで素養がある人は突破可能」という研修が完成する。研修コンテンツ公開の時間が迫っているならばまずはここをファーストステップとし、判定試験を何が何でも公開するところにこぎつければよい。
上述の試験をクリアするためのコンテンツを書き出す。普段研修担当者がどうやって試験で問うているようなことをやっているのか、考え方を書き出したり、単純に知識をまとめたものを列挙したりする。
時間がないけどコンテンツを早く出さなきゃいけない、なんて状況なのであれば参考になるサイトや書籍の紹介をやって時間を稼ぐのもよい。
AWS Summit 2019 に先週はお邪魔してきた。
その中の「AWSのイノベーションカルチャーとは?社員の声」なるセッションで興味深い話を聞いた。 "AWS では社内向けのプロジェクトであっても開始するときにプレスリリースと FAQ のページを作る" らしい。EC2 なら EC2 の紹介ページがあるが、こういうのを作るのだと。
面白そうなのでどこかで真似してみたいものだ。
また、Amazon のリーダーシッププリンシプルなるものの紹介もあった(カルチャー | AWS Japan Recruitmentでも紹介されている)。これに合致する人が Amazon に入れるようだし、恐らくはこれに合致する人が同社内で高い評価を得ているのではないだろうか。これに同意するか否かはさておき、こういう文化は興味深いなぁと思う。